KANA

ジェラシーのKANAのレビュー・感想・評価

ジェラシー(1979年製作の映画)
4.2
互いに対する愛欲に溺れ、縛られ、もがき苦しむ男女の心理を回想形式で描くラブサスペンス。
しっとりとしたジャジーな音楽といい官能的な映像といい、とにかく見せ方すべてがカッコいい!過去と現在のカットを畳み掛けてコラージュし、考える前に感覚に訴えてくる。クリムトやシーレの絵画を意味深に目に焼き付ける冒頭。自意識と自意識がぶつかり合う神経質なラブストーリーに寄り添うように冷ややかに気怠く流れるキース・ジャレットのケルン・コンサート。そんな鼻に付く一歩手前のスノッブなムードに終始陶酔しっぱなし。それだけでも鑑賞する価値があるんじゃないかなぁ。
奔放でツンデレなミレナと、頭脳明晰で支配欲が止まらないアレックス。二人の恋の顛末は見ててとても息苦しいけれど、過去の自分を思えば身につまされる所も大いにあってどちらにも感情移入してた。階段での野獣的なシーンが好きだな。
映像的にも音楽的にもハイセンスなニコラス・ローグ、他の作品も観てみたい!
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