ジョンマルコビッチ総統

ハチミツとクローバーのジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

ハチミツとクローバー(2006年製作の映画)
2.8
羽海野チカの青春群像劇の実写化。
原作の雰囲気を残しつつ、ストーリーを一部再構築し、ひりひりとした切なく爽やかな青春映画に上手くまとめていたという印象。

配役は真山役の加瀬亮とはぐみ役の蒼井優、山田役の関めぐみが原作再現度が高く、竹本役の櫻井翔については、どこまで行っても櫻井翔だけれど素朴な雰囲気が竹本に合っていたように思う。
映画での一番の変更点は伊勢谷章介演じる森田のキャラクターだろう。
原作の掴み所の無い天真爛漫な、トリックスター的なキャラクターと雰囲気から一転、少し危険な雰囲気を纏わせた芸術家肌の男として描かれている(なぜか顎ピアスしてるし)。
ユニセックスで柔らかいタッチである原作のファンには、この男臭さに拒否反応を示す人も多かったのではと想像できる。

私はストーリーを2時間に詰め込んでまとめるためには有りの試みかなと思った。
ギャグを入れるような作品でもないとすると、どちらにしろ原作のキャラクターを再現するのは難しいと思うので。

菅野ようこ女史の楽曲はそれなりにおしゃれで不満をつけようがないものの、出来るならば全編をもっとスピッツの楽曲でまとめて欲しかった。
スピッツをBGMにこの映画を観たかった。

配役の縛りだろうラストの嵐の楽曲は、スピッツと繋げて流れたのがいかにも蛇足で残念。歌2曲はなんか締まらないよ。