垂直落下式サミング

名探偵コナン 世紀末の魔術師の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.5
夜中に、吸血鬼映画をみてドキドキな歩美ちゃん。その夜、ベランダで羽休めしている怪盗キッドに遭遇して、さらにドキドキ。ワイルドでミステリアスな正体不明タキシードイケメンに萌える乙女心のくすぐりかた。わかってらっしゃるのですね。女子人気高めと思われる初期劇場版コナン。
ロマノフ王朝の秘宝・インペリアルイースターエッグを盗んだ怪盗キッド。しかし、彼は逃走中に何者かに銃撃され、海に姿を消してしまう。エッグを取り戻したコナンたちは、キッドの行方、そしてエッグにまつわる謎を解き明かす。
オープニングは、いつものテーマソングの裏に不協和音のようなサックスの演奏が被さってくる奇妙な変奏曲で、怪盗キッドのトリックスターっぷりを表現している。
ニッポンでお宝さがし。あまり意味の通らない合言葉があったり、お宝にもうひとつ仕掛けがしてあったり、そのからくりを説くことで真に意味のある情報が開示されるのが、カリオストロやラピュタっぽい。謎が明かされて本当の意味がわかるシーンは、映像的にとても神秘的なからくり仕掛けになっていた。
蝶ネクタイ型変声期を使って、これまで映画に出てきた人たちの声を出して、敵を追い詰めていくのはやり過ぎな気もするけど、舐めてた小学生が名探偵だったカタルシスが得られる。
最後の最後で、コナンの口からロマノフ王朝の血統をめぐる謎の真相が語られて、キッドがおいしいトコロを持ってく。ちょっと切なくてオシャレな締めくくりだけど、蘭だけ真相を知らなくてかわいそう。
この頃はまだキャラが定まる前だったのか、白鳥刑事に得たいの知れないミステリアスな雰囲気をまとわせているが、実は…。敵はラスプーチンってわけ。ばーろー!