rage30

TIME/タイムのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

TIME/タイム(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

裕福な男から時間を譲り受ける男の話。

お金の代わりに時間を交換するという世界観は、面白かったと思います。
「金持ちは若い姿のまま生き永らえ、貧乏人は今日を生きるので精一杯」という格差社会の実情を戯画化して描けてしましたし、お金よりも生命に直結する分、サスペンス的な面白さも増していたなと。
序盤にある母親の死は、この映画ならではのシチュエーションで、興味を引かれるものがありました。

物語的には、富裕層の中に紛れ込んだ主人公が体制の崩壊を企てるというもの。
途中で知り合った富裕層の娘と銀行強盗になっていく辺りは、ボニー&クライドを意識しているのでしょうね。
ただ、銀行を襲う事が体制の崩壊に繋がる…というのが、イマイチ分かり難い。
格差社会の原因が銀行だけにあるとは思えないし、問題を単純化し過ぎてる気がして、モヤモヤが残りました。

そもそも、金持ち達が貧乏人の死を望む理由もよく分からないし、金持ちが貧乏人をどうやって搾取しているのかもよく分からない。
例えば、「本来はあったはずの25歳以降の時間を政府と金持ちが結託して騙して取っていた~」みたいなオチがあれば、もっと鋭い社会批評が出来たのではないでしょうか。
他にはないユニークな世界観は魅力的だっただけに、あともう一歩、ポリティカルな部分にも踏み込んで欲しかったです。
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