16㍉フィルムでの上映。戦後3年というまだまだ深い傷が残りながらも復興が目覚ましい時代の暗黒街的な物語だった。人物設定もストーリー展開もけっこう強引な感じがする。まともなのは宇野重吉さんくらいなものか。でも、ラスト、悪人の計略や悪徳を乗り越えて人生をやり直すために朝日の中警察に向かうというのは、戦後の混乱した世の中をきっと良い方向へ持っていこうという意思なのかと思った。
俳優の顔や背後の壁に射す影や、画面の歪みなど、絵で見せる演出が面白かった。後に昭和の名優と呼ばれる人達の若い姿が見られてよかった。