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ビッグ・フィッシュのめるのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
3.8
いつもが夢の世界にいるティム・バートンなら、これは現実世界にいるティム・バートンだ。

自分の人生を奇想天外に語るホラ吹きの父親エドワードに愛想を尽かした息子のウィルが父の最期が来る前に本当の話を聞こうとする。

ティム・バートンの世界と現実世界が融合した素敵な映画でした。
こういう優しいファンタジー映画も作れるんだなぁ。

芝生の中に家が建っているスペンサーの光景。パラパラと落ちるポップコーン。水仙の花畑。
どれも非現実的な空間で美しくて可愛らしい。

いろいろな人の人生を聞くと、あり得なさそうな本当の話がたくさんある。自分には絶対に起こらなさそうなことが他人の人生では当たり前だったりする。
それが夢みたいに聞こえることもあるよね。

もしかしたら人生そのものが夢みたいなものかもしれない。

エドワードにとっては家族こそが「現実」で、その「現実」もウィルが語り継いでいくと夢物語になっていくんだろう。
最後にウィルが作るエドワードの物語の優しさに感動した。

人は語り継ぐことで永遠にみんなの心の中で生き続ける。それならば面白いお話の住人としてみんなの記憶に残っていってほしいよね。

私も想像力をいっぱい抱えて、「これは私の死に方じゃない!」と言いながら生きていこうと思います。
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