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ベンジャミン・バトン 数奇な人生のめるのレビュー・感想・評価

3.6
あらすじではコメディにもなりそうなのに、いい意味で他の人達と何ら変わりのないヒューマンドラマでした。

主人公を愛した女性が過去を振り返る構成は『タイタニック』に似ている。

お爺さんの頃から波乱万丈にまみれた人生を送るのかと思いきや、周りには優しい人が多くて、愛のあるごく普通の生活をしてた。(愛のある生活をごく普通と言っていいのかは分からないけど。)
むしろ見た目がお年寄りであることで生きやすい部分も多そうだった。…が。

設定の時点で結末は分かっていたとはいえ、それでも若返ってくるにつれて悲しさが増していった。
自分一人だけ皆と違うのは孤独だろうな。絶対に逃れられない運命だと分かっていたから、最初から最後まで悲しい気持ちは晴れなかった。
ベンジャミンにとって唯一孤独を忘れられたのがデイジーと同じ見た目年齢になった瞬間だったんだと思う。

徐々に完全体のブラッド・ピットに近づいていくのを待つのはドキドキしたし、最も若々しい瞬間のブラッド・ピットの輝きはやばかった…
(もはや実年齢より若返ってた??)

全ての時間に永遠なんてないけど、だからこそ一瞬を大切にしたいと思える映画でした。
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