前髪メガネ

ビッグ・フィッシュの前髪メガネのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
5.0
久しぶりに観だけどやっぱり良い。何ならより深く刺さったように感じる。

信じられないような冒険譚ばかり息子に聞かせてきた父親が一定の年齢になると疎ましくなり、一向に嘘ばかりの物語しか話さない父親に反発するかのように真実を伝えるジャーナリストになった息子が自身の結婚の日を境に父親と話をしなくなるも3年後父親が危篤になり久しぶりに帰り最後に父親の話を父親から聞こうとするも口から出るのは聞き飽きた嘘の物語ばかり。最期までちゃんと会話が出来ないことに苛立つ息子だが徐々に父親の過去が見えてくる。


ティム•バートンのファンタジックな作品はだいたい好きだけどビッグ•フィッシュに関しては1番と言っても良いほど好き。
今回久しぶりに観てそれが更に更新された。
題材でもある親子の絆モノに弱いってのもあるけど、父親の愛し方が特に素敵でこんな親になれたらって憧れの像だからでしょうか。父親の語る話がファンタジックな物語は"人生は自分次第でどうとでも楽しくなる"というのが伝わって来るからかな。

ホラ話の意味をもつBig fishを生と死のメタファーにしているのは面白いと思し、それに加えて劇中では結婚の仕方も上乗せしてくるから尚上手い。
そこだけでなく色んなところに様々な人生のメタファーが隠されているのも面白い。恐らくまだ気付けていないのもある。恐らく観てる側の人生経験とかをキッカケに気づいていける仕組みになっているのかな。今回久しぶりに観てそれこそ色々気付けたし。

事実と作り話の境界線を曖昧にするのはティム•バートンの得意な表現の仕方だけどビッグ•フィッシュはその境界線があやふやにされている分身近な物語となっていてそこも魅力の一つだと思う。
前髪メガネ

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