HidekiIshimoto

エンター・ザ・ボイドのHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
4.0
異国人溢れる渋谷の大晦日カウントダウン記事みて、新春にぜんぜん相応しくないこれまた観た。撮影がもの凄い。一体どうやって撮ったんだ?と気を逸らすことで正気を保つ。これ観るとTOKYOはただ消費されるだけのエクスペンダブルシティということがよく判る。まあ観なくても判る。安全安心で使い捨て、異国人が重宝がるのがよく判る。実はこの感覚、その昔まだ上り坂にいたジャップの一員として、バンコクのペカペカオシャレ街を歩いた時にグワっと感じたことがある。こんな劣化コピー文化取るに足らず、無責任に消費して去るのみ。まあそんな感覚。でハッと気付いた。俺らが最初のコピーじゃん!その時はじめて渋谷原宿が欧米人の目にどう映るのかを実感した。けど消費し続ける者は異国人でも消費される側になり、その果てにはこんなvoidがある。というイヤ〜な現代版『死者の書』映画。煉獄的極彩色に目が眩む。脳が堕ちる。09年作でこの時もう下り坂にある日本。下りきってもまだ消費だけに邁進するこのへんな国はこの映画の舞台にぴったりだ。ラースやハネケも撮りに来ればいいのに。