Jimmy

ふるえて眠れのJimmyのレビュー・感想・評価

ふるえて眠れ(1964年製作の映画)
3.5
ロバート・アルドリッチ監督によるホラータッチのサスペンス映画。
狂気にあふれた女を演じさせたらベティ・デイヴィスの右に出る女優はいないのでは?…と思わせられる熱演ぶり。
アルドリッチ監督とベティ・デイヴィスは本作の2年前に『何がジェーンに起こったか?』という大傑作でも組んでいるが、この映画も(何がジェーン…ほどではないが)やはり怖い!

DVDパッケージには「若きシャーロットは、妻帯者メイヒューに恋をした。(いわゆる不倫)しかし、シャーロットの父親が大反対。パーティの晩にメイヒューは手首と首を切断されて殺された。時は流れ、37年後、またもシャーロットを脅かす事件が頻発する。はたして惨殺事件の犯人は誰なのか……?」と書かれている。

この映画の序盤で、シャーロット(ベティ・デイヴィス)の近景をハッキリと映すことなく照明も調整しながら「若いシャーロット」を描いている工夫が見られる。
そして、不倫相手のメイヒューが手首を切られ、首を切られて、殺されるシーンが描かれるのだが、犯人は判らないようなアングルで撮られているのも上手い。
この直後に、白いドレスを血まみれにしたシャーロットが登場するものだから、観ているこちらは「なんだ、シャーロットが犯人じゃないか…」と思ってしまうのだが…。
彼女は証拠不十分で不起訴。

37年経過して、父親も亡くしたシャーロットは、いまだに父親が遺した豪邸に住んでいる。ただ、未だに過去の恋人への想いを抱きながら、どこかしら精神不安定の雰囲気。
そこに、彼女を助けようとする女性ミリアム(オリヴィア・デ・ハヴィランド)が現れて、ミリアムの恋人で医者の男(ジョセフ・コットン)も現れるのだが、ジョセフ・コットンの登場は何だか怪しい雰囲気を醸し出す。

そして、観ているうちに、このミリアムと医者の男も怪しくなってきて、シャーロットの女中が階段から転落死、医者もシャーロットに射殺されたと思ったら……と次々と事件が起こる。
そうした事件の合間に、シャーロットが見る舞踏会シーンの夢のような場面は「光と影の使い方」が本当に上手くて、東京ディズニーランドの『ホーンテッドマンション』のような雰囲気…(笑)

この映画の原題は、全編で流れて、ラストでも歌われる「♪Hush...Hush, Sweet Charlotte, I love you till I die ~」からとられているが、なかなか面白い映画だった。
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