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セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転身のマのレビュー・感想・評価

4.5
人生における"自己決定"なんて60年の時点で死滅してるという事実。システムとしてやってくる"生まれ変わり"に流され、鎮静剤を打たれた状態で話した「理想」が人生へとハメ込まれる。自分の人生の不満を話し(させられ)ている時 「俺はなんでこんな話をしてるんだ...」と呟くのが象徴的。

興味深いが嫌なのは、主人公の人生は言うほどどん底でもなく 問題は周りではなく 全てを抱え込んでしまっていた自分のみにあったという妻の視点、創業者との対話でアーサーとしての人生が詰んでいると思い込まされただけで そういう訳では一切なかったようにも思える。資本主義によってシステム化された輪廻を辿る終盤の展開 特に創業者の話は悲しい。リドスコの「悪の法則」的 誰も止めることが出来なくなった仕組みによって無限に周り続ける地獄。(を当たり前に内面化して生きるウチら)
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