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わが故郷の歌のmhのネタバレレビュー・内容・結末

わが故郷の歌(2002年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

湾岸戦争(1990年8月2日- 1991年2月28日)直後の時系列で、イラク戦争(2003年3月20日 – 2011年12月15日)はまだはじまってない。戦乱の続くイラン→イラクを旅するクルド人視点のロードムービー。
伝説的な民族的ミュージシャンが息子とともに、別れた妻を探しに行く。イランのクルディスタンから、イラクのクルディスタンへと移動していく。ざっと前半がイラン側、後半の雪景色がイラク側。
同じクルド人同士でも両国に利用された結果わだかまりが生じている。伝説的なミュージシャンという肩書が奏功して、主人公たちは旅することができる。
イスラム世界なので女性はチャドル姿。
妻がイランを去った理由が「イランが公共の場で女性が歌うことを禁じた」ため。かつてのバンドメンバーと一緒に駆け落ちみたいなことになったことがだんだんわかる。
イラク側のクルド人(イラン・イラク戦争時代にイラン側から支援を受けてイラク国内でゲリラ活動をしていたという側面がある)に対してサダム・フセインが大量虐殺をはじめたため、心配して探しに行くという流れ。
中盤まではコメディタッチ。大声でしゃべるおっさん三人がかわいい。
終盤にあると、化学兵器とその影響などのプロットが増えてきて、シリアス調になる。
多情な息子のほうは、難民キャンプで養子を二人ゲットしてご満悦。「息子が欲しかった」から女性を口説き片っ端から妻にしていたというわかるようでわからんコメディみたいな決着。
ストイックな息子のほうは、妻にするべき女性を見つける。
そして主人公であるおじいちゃんのほうは、妻が化学兵器の犠牲になったことを聞かされる。でも、遠くから彼を見つめる女性がいるという終わりかた。
歌えなければ生きてる意味がないというテーマかな?
クルド人の文化、生活、歴史を知るにはうってつけの映画。
面白かった!
mh

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