『ファニーゲーム』をセリフもカットもそのまんまリメイクした『ファニーゲームUSA』というのがあったのを思い出した。あれ、やり直したのはミヒャエル・ハネケ監督本人だったし、あれをわざわざもう一回やる監督の狂気も込みで面白味があったとは思う。さてアラン・レネの『ヒロシマ・モナムール』をリメイクしてみたい日本人監督がいて、「リメイクしたいとおっしゃる貴方はどなた?」と言いたげな機嫌の悪いフランス人女優がいて、「なぜ今、リメイク?」と真顔で問うてくる若かりし町田康がいる。
「ただやってみたい」だけで作品はできない、という厳しい現実を示すように、NG連発の主演女優が徐々にブチギレていくさまが延々と流れる。「なんでできない?何がひっかかってる?」と通訳を介して彼女に詰め寄る監督の問いは、「なぜ映画を観るのか?映画に何を求めるのか?」という問いに変わって、観客である自分に跳ね返ってくるような感覚だった。答えなど、出ぬ。
H storyのHは何のH……"Huh?"とかかな。ただし嫌いではない。どないやねん