げんき

七人の侍のげんきのネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

一番好きな映画の一つ。
DVDでしか見たことがなく、とうとう映画館のスクリーンで見ることができた。

初めて見た時はセリフがなかなか聞き取れず字幕を出して見ていた。何回見ても、聞き取りづらいところは聞き取りづらい。短いセリフが特に聞き取れない。途中に休憩がある映画の存在も、この作品で初めて知った。

七人の侍、それぞれの個性が戦い方じゃなく、立ち居振る舞いでしっかり表されている。さらに勘兵衛や菊千代、久蔵の光り方は飛びぬけている。脚本の制作話を聞くと納得いくが、話を深めたためにキャスティングの変更などが加わり、この3人が光っている。侍でも農民でもない菊千代は、両者の架け橋であるとともに、両者の姿を顕著に現わしている。

農民の生き様からは、弱者や逆境に置かれた人に対する黒澤の考え方が窺える。努力しない人に対する冷たい目線。
侍と農民、双方が観方を変え、またお互いがあって社会が回っていることを知る。残された勘兵衛と七郎次の「また負け戦だったな」というのは、戦の虚しさを意味し、また黒澤の第二次世界大戦への思想も大いに考えられる。


小学生の頃に見た時は久蔵の剣技と渋さに憧れた。勝四郎がそうだったように。いまでも久蔵が光って見える。そんな点では自分は勝四郎のようにまだまだ幼く未熟なんだ。
久しぶりに見たら、平八のキャラにも憧れた。
抜刀後のスロー、観衆は普通なのに、倒れる瞬間だけスローになる編集は刺激的。また地図を使いながらの作戦会議によって、これから行われるアクションの状況を説明し、また野武士一人一人を倒していくことで、アクション(戦闘)がリアルであり、また娯楽ではなく血なまぐさいものであると実感する。そういう節々にも戦争の虚しさを感じる。

まだまだ書き足りない
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