ソムさん

七人の侍のソムさんのネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

野武士の略奪に怯える百姓に、助けを求められた勘兵衛は、侍7人を集めて、百姓とともに野武士を撃退するというストーリー。

見終わった後の正直な感想は『疲れた』でした。それは、セリフのトーンやテンポが聴き慣れているものと違い、慣れるまでに神経を使ったこと。モノクロのため、想像力を働かせてみる必要があること。

ただその時代に自分を合わせにいく事、想像する事がとても楽しいんです。もはや若干の変態ですよね(笑)

キャラクターに個性があって見ていて中だるみすることもないし、構成もシンプルでわかりやすい。

勘兵衛の落ち着き払った物言いと、菊千代の本能剥き出し感が、師弟関係とも違う親子のような間柄に思えて笑みがこぼれました。久蔵の『一匹狼感』からの自分の信念に従う行動、仲間を尊重する立ち振る舞いに、日本の美しさを感じました。

『また負け戦だったな、勝ったのは我々ではない』と言った勘兵衛の表情は、それほど暗くないと感じました。が、仲間の墓を見上げた時の表情はいったいどんなだったのだろうかと、職業柄胸が痛む思いでした。