Yoshishun

夕陽のギャングたちのYoshishunのレビュー・感想・評価

夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)
4.1
名匠セルジオ・レオーネ監督による革命軍と強盗団の数奇な運命を描いた超大作。
『ウエスタン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と同じワンス・アポン・ア・タイム3部作の2作目。

正直広く出回っている邦題・原題よりも、監督の初期案の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・レボリューション』がしっくりくる。根本は西部劇でありながらも、爆弾使いジョンと、富裕層を狙う強盗団のボス・フアンの衝突と友情の記録である。最初は歪み合い、友人同士の痴話喧嘩の如く互いの私物を破壊しまくる滑稽さが目立つが、爆弾使いが革命軍の一員であることが発覚し、ひょんなことから革命に加担させられる。偶然煽った相手が革命家だったばかりに、計画が狂いに狂い、事態は急展開を迎えていく。

セルジオ・レオーネ監督の演出力、エンニオ・モリコーネの耳に残るサウンドが見事に融合し、156分という長尺を感じさせない。静の会話劇の最中に突如として放り込まれる動の大爆発。緩急の付け方はまさに巨匠の業で、静かなシーンに漂う確実な死の臭いも中々。

回想が1パターンの割に詳細が明かされない等、ジョンの背景がわかりにくいため、ラストシーンもあまり活かされていない気もするが、フアンとの奇妙な友情に焦点を当てるためだったと思える。
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