打算的な思考能力を駆使する魔性の女（黛ジュン）が、老舗百貨店部長（大木実）の昇進を利用しながら、玉の輿を狙っていく。1982年に発生した「三越事件」を映像化している、日活ロマンポルノ。長尺の大作映画路線。

百貨店の新社長とその愛人が会社を私物化。傲岸不遜な態度を貫きながら、信頼関係の瓦解と企業の不祥事を引き起こしていく。公開当時はセンセーショナルだったようだが、今となっては忘れ去られた出来事を再確認するための作品に過ぎない。

主役となる魔性の女を演じるのは、60年代後半に絶頂期を迎えた女性歌手・黛ジュン。35歳の熟女ヌードを披露しており、真っ白な美肌と女体の曲線がマーベラス。"男を踏み台にする女性像"の説得力に関しては、及第点が挙げられる。

愛人契約を強制される和菓子屋社長（新藤恵美）と、社長に愛想が尽きてしまう秘書（川地民夫）が、映画の盛り上げ役を担ってくれそうになるのだが、残念ながらインパクトを残せず。ただ、実録系であることを念頭に置けば、それなりの出来栄えといえる。

下世話なみどころが満載で最高！なのだがさすがにどうだろうと思う。黛ジュンのギラついたドレスとメイク。太ってそーにみせかけてかなりイイ身体の大木実。ふたりが毛布被って浜辺でみる朝焼け…なんだこれは。嬉しいけど。細川隆一郎もでてる。

これ新藤恵美主演で宏裕監督案件じゃ？ひたすらギラついてアッパーに終わって欲しかったなと思ってたら黛ジュンのギャラまで知ることになりもうご苦労様としか言えない。ジュンさんが白髪を一本ずつ燃やすホテル色々の室内や川地民夫と向かい合って体を洗われたりクレオパトラ良いのだけど、やっぱ関本監督だから血の話で海に向かって演歌。七越。