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2046のnlmageのレビュー・感想・評価

2046(2004年製作の映画)
3.4
主人公(トニー・レオン)が忘れられない過去を背負いながらも、これを塗り重ねるようにやたらめったらに女性を抱いていく。

そんな自身の生活を投影しながら、
小説「2047」を書いていくお話。
ときどき出てくる小説の世界観が、
ブレードランナー的な
近未来を舞台にしたものでなかなか味があり。

フェイ・ウォン
チャン・ツィイー
双方ともに透明感があって、どの角度から見ても美しいです。
あーずっと観賞していたい…。

特に、チャン・ツィイーの
愛を求める痛切な表情には
胸を打たれました。
欲を言えば、もう少しマギーチャンに匹敵するアダルティーな魅力が欲しかったかも。トニー・レオンに呑まれた感。

キムタクは、ブレることなく
いつでもどこでもキムタクを貫く。
逆に凄い。
作中、キムタクボイスで
日本語が飛び出るものなら、
思わずオッ!と身を乗り出してしまう。
悲しい日本人の性であります。

マギー・チャン姉さんは
ちらちらと出てきてくれました。
あまりに唐突だったので、なぜ?カメオ?と登場の意味が分からなかったのですが、花様年華と間接的に繋がっている作品だった知り、納得。
※"続編"であることは監督が否定しているようです。ストーリーには連続性がないと。

後から思えば、全体の雰囲気からして、その残り香を追っている感覚ではありましたね。
しかし、それを考えると花様年華でみたトニー・レオンの印象とは同一と思えないほど、がらりと変わってしまう。。
纏う色気は相変わらずムンムンなのですが!!

〜2046へ向かう人々の目的は、
なくした記憶を探すこと
なぜなら2046では何も変わらないから〜



追記、

香港が英国から中国へ返還された1997年から向こう50年間は資本主義を採用しその体制を変えないと宣言されました。
その期限は、まさに2046年。

この意義深い年にも題名を重ねたのでしょうが、予想よりもずっと早い2020年「香港国家安全維持法」が中国により導入されました。

何も変わらないでいることは、2046にでも漂わない限り、非常に困難です。
人の心や関係性、国・世界の有り様だって、すべてのモノゴトは変容していくもの。

今後の香港の姿も然り、私たち自身がどのような変わるものと変わらないものを携えて、現実に直面しながら歩んでいくかを考えねばなりません。
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