Aika

ウィズネイルと僕のAikaのレビュー・感想・評価

ウィズネイルと僕(1988年製作の映画)
4.2
イギリスやアメリカでカルト的人気だとか、ジョニー・デップが死ぬ前に観たい映画に選んだとか、そんな唆る文句がつくけれど、俳優になりきれないふたりの青年の自堕落な生活がだらだらと描かれるだけ。

だけどこれがとてもよかった…!
ファッション、音楽、景色、どんよりした雲に雨・雨・雨…。そこに怠け者で薄汚いふたりが佇む。
この全てにブリティッシュ感満載なのと画が見惚れるほど好みで、2回連続観た。
まだまだ観れる、観るほど愛しくなっていきそうなスルメ映画。

あり金は全部酒とドラッグに使ってしまう退廃的なウィズネイルとそんな彼につられがちな″僕″。
ウィズネイルの詩的な表現力に酔い、淀んだ目に時折宿る光に惹きつけられる。彼に翻弄されながらも放っておけない″僕″の気持ちがとてもよくわかる。
女の話すらせず、くだらないことでお互いへ怒りや笑い、やるせなさをぶつけ合い、どうしようもないほど情けないのに微笑ましいふたり。

そんな″今″しか生きれなかったふたりも、時代に乗るものと時代に取り残されるものとで次第に道が別れていく。

そしてラストシーン。文学に疎い私でも叔父さんの言葉を思い出し″偉大なるあの人″の一節だとわかった。うまいなぁ、すごく好きだこのシーン。

レビュー書いてたらまた観たくなってきた…やっぱり好きだ♡
Aika

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