クリーム

ヴェロニカ・ゲリンのクリームのレビュー・感想・評価

ヴェロニカ・ゲリン(2003年製作の映画)
3.8
麻薬の横行する90年代アイルランド。記者ヴェロニカ·ゲリンは犯罪組織との繋がりを暴こうとしていた。 脅迫に屈せず取材を続けた彼女が殉職するまでを描く実話。
見た目もヴェロニカ本人に寄せて、ケイト·ブランシェットが好演している。それはそれは、カッコ良いですけど、内容はかなり無謀だった。




ネタバレ↓





1994年、アイルランドでは、史上最高1万5千人の人々が麻薬を常用、中には十代の少年少女が多く関わっていた。ヴェロニカが寂れた団地へ取材に向かうと、そこは麻薬常習者の巣窟。 麻薬常用者達がうつろな目をして壁に凭れかかり、団地のあちこちに沢山の 注射器の残骸が落ちていた。 注射器を腕に射したまま動かない母親。傍で泣いている赤ん坊。 公園で遊ぶ子供達の玩具が捨てられた注射器なのは、ゾッとした。
ヴェロニカは、 女性記者で幼い子供のいる母でもある。にも関わらず、麻薬組織に挑む。凄く勇気があるけど、麻薬王の家に無断で入り込むのは勇気ではなく、無謀なだけに見えた。そりゃあ、脅迫や命を狙われるよ。我が子や自分の家族が危険にさらされるのは、当たり前。
それにしても警察がズルい。わざと情報を流して、取材する様に仕向けたり、ヴェロニカに警察は無能と思わせて行動させる。ヴェロニカの死は、起こるべくして起きた悲劇。
彼女の死後、麻薬組織の人間は逮捕され、法律まで制定されたと聞くと、彼女の死は無駄ではなかったと思えるけど、家族の犠牲を考えるといたたまれない。90年代のアイルランドで麻薬問題が横行していたのは、知らなかったので勉強になりました。
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