双葉レイ

桐島、部活やめるってよの双葉レイのネタバレレビュー・内容・結末

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

少し登場人物が多かったけれど各々の葛藤・行動原理を的確に描写しつつ全体として齟齬がなく、且つ一つの大きな物語が流れているという完璧な脚本だったと思う。桐島が出てこない、キャラクターごとに視点が変わる等で少し混乱はするかもしれないけれど、過不足なく描ききっている。そしてゾンビという軸にまとめるとは思っていなかったから感動した。これはゾンビ映画なんだ。
高校生の時によくあった言葉の言い回しやクラス内ヒエラルキーも、そうなってしまう構造も理解できつつ、そうなってしまうことに若干の悲しみも抱えつつ、素直過ぎる感情の吐き出し方もまだまだ幼いなと思いつつも理解できる、そんな青春時代特有の感情のゆらぎや吐き出し方も上手く描いていると思う。そして、桐島がいなくなってしまい崩壊してしまった学校生活ではあるけれど、それによってまた新しく前に進む人たちもいる、そんなちょっとした希望も最後に描きつつ。オチもついてて完璧だなと。

改めて高校生って生きづらい生き物だな~と感じたが、よくよく考えてみると現実社会の縮図なんだよなあとも思う。人間というものはとてもめんどくさい生き物なんだと。
それでも、前田(映画部)の言葉を借りるならば「この世界で生きていかなければならないのだ」。
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