たつなみ

桐島、部活やめるってよのたつなみのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
5.0
『映画』としての魅力に溢れた大傑作!

何気ないシーンの一つ一つに様々な意味が込められているので、何度観ても楽しめる。
余計なセリフを極力省いて、映像で語っているところも素晴らしい。

クライマックスの屋上シーンの盛り上がりは最高のカタルシス!
前田くんがゾンビ映画にこだわっている理由を考えると、この屋上シーンにとてつもなく深い意味があることが分かる。
『生きがい』を見つけることに理由なんてない。
どんな事でも『好きなものに近付きたい』という純粋さだけが輝きを放つんだと思う。

観終わったあと、何度も登場人物たちの事を思い出してしまう位、キャラクターにリアリティがある。
特に松岡茉優の憎たらしさは特筆もの。
観ていて真剣に腹が立ってくる。
そして彼女を始めとする(あまり言いたくないが)『イケてるグループ』の連中は全員死を願うレベル。

俳優陣全員がこの作品以降ブレイクして行くことを考えると超豪華キャストの作品と言える。
まだまだ日本映画もこんな大傑作が作れるんだ!という嬉しさを感じた。