このレビューはネタバレを含みます
アンパンマン映画は映画キャラが自分勝手で生意気なことが多いけど、ドーリィは他の映画キャラと比べてもその勝手さレベルが一段回上。虐待されて海に捨てられた過去を持ち、持ち主に髪を引っ張られたりしたって言ってたのに捨てられた時は髪はなくて服も着てなかった。その様子からドーリィがどれだけひどい目に合ってきたかが伺える。
苦しくても命を持たない人形であるがゆえに現状を変えることも抵抗することもできなかったことを悔しがるドーリィは、自分勝手に生きることに固執して何のために生まれたのか悩んでいる。虐げられてきたからなのか、アンパンマンが人を助けるために生きてると言ったことについても「ウソだよね、ありえない」と言い放つ始末。
そんな他人をどうでもいいとしか考えられなかったドーリィが、自分のために命を張るアンパンマンの勇姿を見て心打たれ自分も誰かのために命を使いたいと考えを改める。
キャラ作りがかなり丁寧で大人向けだと思った。最後のバトルシーン用にアンパンマンのマーチの荘厳なバージョンが用意されてるのも凄い!実際は過酷な過去を持っているのにワガママなドーリィに対して、ちびぞうが「お人形の頃にきっと甘やかされてたんだ」と決めつけて後にドーリィが命を落とした際に謝っていたのも印象深かったな