sayuriasama

フィールド・オブ・ドリームスのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

4.0
野球が紡ぐ人生のドラマが心の琴線に触れる日本人好みの作品

急にケビンコスナー作品を見たくなって、そういえば見たことなかったことに気がついたこの作品。WBC、そしてセンバツも始まるのでここでレビューしておきます。

ストーリーは予想以上にファンタジックで非現実的です。ある日ケビン演じるレイは「それを作れば彼が来る」との声を聞き、所有するとうもろこし畑をつぶして野球場を作ります。しばらくすると過去に八百長疑惑でメジャーリーグを追放された選手が集まり、野球をプレーし始めます。その後再びレイは「天の声」を聞き、その謎をとくために、家計を省みずに旅にでる...

野球場に現れる選手達は故人ばかりなのに、幽霊っぽくなかったり、天から降りてきてかつタイムスリップしてないとつじつま合わなかったり。でも、過去の人物と交流することで、懐かしさや今まで忘れかけていたことを思い出すという視点で考えるとむしろ実体のある人間で描いた方が説得力があるように思います。その点では、現実にしばられ過ぎていたレイの妻の兄の、しばらく野球選手は見えていなかった描写は面白かったです。

そして、この映画は日本人が共感するポイントが多い気がします。私が個人的に好きだったのは夕暮れ時に、ナイター照明の下、虫の声の中で野球をプレーする姿。なんとなーく夏休みの儚い青春の夢が輝いているようで、画面から夏の爽やかな香りが漂って来るようでした。

「野球への情熱」を中心に、大人が少年時代の忘れ物を取り戻していく、爽やかでウルッとくる素敵なファンタジー映画でした。
日本でも、十勝辺りでリメイクできないかな。(とうもろこしや小麦畑が似合いそう)

この映画で飲みたい:バドワイザー
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