所謂、修正主義西部劇と言う、先住民の扱いの刷新とか暴力による解決の否定を盛り込んだ新ジャンルを、より明確にアメリカ人に認識させた意欲作だと思う映画。
これ以前にも「牛泥棒」とか常道から逸脱した作品はあったけど、先住民の扱いが殊更雑だった「帰らざる河」もこの作品の3年前の作品だ。
西部劇の脱皮と変革と死(そして後の復活)を、敬愛するアンソニー・マンは今回も手堅く仕上げてた。
とは言え、50年代の作品なのでまだまだアメリカ人の意識も弱い。
暴力による反抗と言うよりも、まだ逆張りの域(腹に一物抱えているとは言え、まだまだヘンリー・フォンダと言う師匠的ヒーローを、話を回すために必要としていた)。
それ以上に、「非暴力」と「力の放棄」の違い(阿呆はこれを同一視しがちだが)を説くことを本質とするタイプの映画だな、と自分の目には映った。