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さあ帰ろう、ペダルをこいでのslowのレビュー・感想・評価

3.7
四半世紀ぶりにドイツからブルガリアへと車で帰郷していたアレックスと両親。
しかしその道中、不慮の事故で両親は亡くなり、アレックスは事故の後遺症で記憶喪失となってしまう。
事故の知らせを受けて病院に駆けつけた祖父は、鬱ぎ込むアレックスを自転車旅に誘う。
観客はアレックスの再生の旅を通して、その家族の波瀾万丈な人生を知り、共有することになる。

頑固でお節介なところもあるが、孫のために健気に振る舞い続ける祖父。この人の温もりと強さが、アレックスだけでなく物語全体を優しく包んでくれる。
しかし、この旅の時間を本当に必要としていたのは、強く見えた祖父の方だったのかもしれない。そんなふうにも感じる映画だった。

人生には誤算が付いて回る。だからこそ、「結果は自分次第、最後まで諦めるな」と言う祖父の言葉は芯に響くのだ。
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