うーぱーるーぱー

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のうーぱーるーぱーのレビュー・感想・評価

4.1
刹那的な出会いの物語。

他愛もない会話の途中で不意に始まる哲学的な会話に心を動かされた。
特にセリーヌが言っていた「誰も知らない死」と「もし神が存在するのなら〜」の台詞。
美しくてどこか儚い雰囲気を持つセリーヌがとっても好き。終始見惚れてた。

それにしても「これは未来から現在へのタイムトラベル」って言葉選び、ナンパの台詞として120点満点でしょ。まあイーサン・ホークだから許されるって部分もあるけど。心撃ち抜かれた。

2人が駅で別れた後の「数時間前の2人がいた場所」の映像が良かった。「見て、環境の方が人間より強いの」とセリーヌが言っていたように、2人がたしかに一緒に過ごした時間がまるで幻だったかのように、何も変わらずそこに存在する噴水や、路地裏の椅子や、静けさの中の墓地が、人間の存在の儚さや移ろいやすさを表すようで、何とも言えない切なさが染み渡った。
「過ぎた時間は2度と戻ることはない、時の流れには誰も抗えない」という当たり前のことを、改めて実感させられた。

続編も気になるけど、2人のこの先は想像するにとどめて余韻に浸るのが良い気もしてる。
また観よう。