Lilly

シャインのLillyのレビュー・感想・評価

シャイン(1996年製作の映画)
3.7
実在オーストラリアンピアニストの半生を描いた物語。
この映画を観るまで、こんなピアニストがいる事を知らなかった。

子供時代を演じた俳優も、青年期の俳優も何処か寂しげで繊細なイメージを出していて良かった。
しかし、大人になって精神的に病んで以降を演じた俳優が、素晴らしく怪演だった。
あの早口とぎこちない動き、飄々とした風貌も嫌みなくて、こちら側が思わず支えたくなる愛嬌ある雰囲気をだしていた。

ピアノ演奏は、主人公本人のものだったようだが、超高速のピアノタッチと迫力ある演奏が印象的。
ピアノもコンサートモデルのグランドピアノから、古びたアップライトまで登場し、中に日本製のKAWAIもあったり、それぞれの楽器でバラエティに富む演奏が見られて楽しめた。

父親のあの独特な教育法は、自身のホロコースト体験から来る歪みあるものだったのが、残念で何度も苛立ちを感じた。
精神障害を乗り越えて、人生を彼なりに切り開いていく姿は、背中を押してくれる。
Lilly

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