ジジイ

溶岩の家のジジイのレビュー・感想・評価

溶岩の家(1994年製作の映画)
4.2
「ヴァンダの部屋」のペドロコスタ監督作品。1994年。アフリカ最西端の島カーボヴェルデからリスボンに出稼ぎに来ていた男が仕事中に怪我を負って入院。意識が戻らぬ中、差出人不明の手紙の要請で、付き添いの女性看護師と共に故郷に戻ることに…という物語。面白かった。冒頭、無音で活火山の粗い映像が流れ、不穏な未来を予感させる。プロの役者は数人であとは現地の素人である。1975年までポルトガル領だったというこの地は、樹木もまばらな荒涼とした火山の島で比較的大きな街もあるのだが、人々の暮らしは貧しく出稼ぎに出る者も多いようだ。一度観ただけでは何とも理解し難い作品だが、少なくともショットは素晴らしく音楽もいい。生者と死者のあわいのようなものがテーマなのだろうか。漆黒の夜の海が超絶美しい。
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