ワルキューリ

パットン大戦車軍団のワルキューリのレビュー・感想・評価

パットン大戦車軍団(1970年製作の映画)
3.9
冒頭、バッと張られた合衆国国旗をバックに朗々と部隊員に語りかけるパットン将軍(ジョージCスコット)。
その姿がなんとも力強く、思わず「USA!USA!USA!」を連呼しそうに(笑)

唯我独尊を貫きひたすら勝利を追い求めるかの姿は自ら皮肉交じりに語る戦争に魅入られた狂人のようでありながら、一方で自らを犠牲にこの狂った戦争の早期集結を望む聖人のようにも写る...(一兵卒へのある振る舞いもそれが戦場のリアルである、という説明はそのとおりだし)

戦争が集結に近づくにつれ、新たな敵を「作って」しまったパットンと、その彼の扱い、そして東西冷戦と代理戦争。果たして正しい選択は何だったのか。東のロンメル西のパットン、二人の末路…人格は違えど二人とも「戦場でしか生きられない男」だったのかなあ(『ウィンストン・チャーチル』もそんな感じの映画だったな)

邦題からは大規模な戦車戦がメインのようだけども正面から打ち合う場面は少ない。その代わり空軍支援やライフル兵を伴いリアルな戦場をダイナミックに描き出し、雪原や草原での大規模ロケの苦労が伺われます。