日本映画専門チャンネルで鑑賞
めちゃくちゃ感動してしまった。
五島列島でうどんを家業にする大家族の22年を追ったドキュメンタリー。
テレビ番組の大家族もの(ビッグダディとか…笑)にありがちな大騒動や兄弟喧嘩は一切なく、家族の成長と変化を静かにじっくり捉えてる。
22年という歳月の重みは、観賞後ガツンと来るものがあり、一つの普通の家族の姿を通じて、人生そのものを感じずにはいられない。
子どもたちが幼い頃からうどん作りの家業を手伝う決まりになっていて、彼らは3歳の頃から、タイムカードで勤怠管理をしながら(最初は時給10円程度)、朝5時には起きて、一仕事終えてから学校へ行く。
その仕事に対するそれぞれの子どもたちの考えの違い、どう向き合ってきたのかが、成長して大人になるに従って、明確に分かれてくる。
特に顕著なのが次女で、彼女の決断が映画の中でも大きな転換点として描かれている。
結論から言うと、彼女は写真家になるのだが、そのきっかけとなったコンクールで賞を取った弟の写真が最高に良い。
京都に1人引っ越して写真の勉強をして、写真の題材に選んだのがお寺で修行するお坊さんの姿。彼らを見て、「うどん作りをしてる私たちを思い出した」って発言にめっちゃ笑った。
いや、修行とうどん作りに共通点を見出すなんて…
しかもその後、お坊さんに嫁いで行くのが笑える。
父親の一周忌に遅刻してきた末っ子。そのシーンが涙腺崩壊した。
なかなかこんなドキュメンタリーはないし、フィクションを凌駕する、素晴らしい作品。