だいごろー

裏切りのサーカスのだいごろーのレビュー・感想・評価

裏切りのサーカス(2011年製作の映画)
4.5
@新文芸坐

難解とされてるけど、激渋なスパイ映画として素晴らしい。
ハンガリーの将軍と会う最初のカフェのシーン、意識的な無意識を装った空間の緊張感、垂れる汗、ここから最高。
タイトルクレジットからの撮影の数々(メガネの新調、メールボックス…)も素晴らしい。

殺されかけたジムが、流れてたどり着いた小学校で出会う孤独なぽっちゃり少年(ビル)との関係性が良く、自分には取り柄がないという少年に対し
「優れた観察者だろ。孤独な者の才能さ。
君は校内で最も優秀な観察者だ。
眼鏡が頼りだがな。」
というセリフが、ビル(コリンファース)とジムの関係性を踏まえると泣ける。

構成、演出、撮影、音楽、名優たちの演技全てが素晴らしく、1秒たりとも気を抜くことができない緊張感は格別だった。