人間は全員絶対的に孤独で、生きる意味も特にない という事実に気づくコトへのとてつもない恐怖=肥大化するニューヨークの町。自分が思い描く人生の(崇高すぎる)理想に追いつけず、絶望する中高年男性を何度も何度も描くチャーリー・カウフマンだけど、この映画は中高年男性だけじゃなく、人間は全員孤独なインセルマインドのカスだとセリフで言ってしまうから本当に最悪。
チャーリー・カウフマンの映画における 報われない人生(=この世の人間全員の人生そのもの)への救いは、描写(創作)として生きることの意味のなさを救うような要素を観せることではなくて、どうしようもない絶望を映像として記録することだけ。
ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズ印の凄まじい映像表現を魅せれるのに、内容としては映画のファンタジーや優しさを殆ど信用してないようにも感じる。そもそも 例えばこの映画の中だと、とあるキャラクターがビルから飛び降りるシーンの様に 映像的には派手なのに、演出は完全に冷めきってる(だからか映画全体が地味に見える)のが怖い。