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ボーイズ・オン・ザ・ランのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)
4.3
弱小おもちゃメーカーで働くサラリーマン、田西敏行(彼女いない歴9年)(峯田和伸)。営業先では「面白くない」とバカにされ、出世なんて程遠いダメ社員。
同僚・ちはる(黒川芽以)にひそかに恋心を抱きながらも、当然彼女にうまく近づけない。
誕生日をテレクラで迎えてとんでもない女にひっかかるわ、実家暮らしでエロビデオを見て就寝する怠惰な毎日を送っている。 
仕事もダメ!恋もダメ!・・・そんな田西に、なんとチャンス到来!
仕事先で出会ったエリート営業マン・青山(松田龍平)の手ほどきで、ちはるとの恋の予感が・・・!しかし、そこには、大きな衝撃が待ち受けていた。 
「いい人」か「獣」か。「土下座」か「決闘」か。田西の人生が、今、動き出す。
花沢健吾の大ヒット漫画を鬼才三浦大輔が初監督で映画化した傑作青春映画。
自信がなくて自意識過剰でイタイけど思い込んだら真っ直ぐな田西を演じた銀杏BOYSのボーカル峯田和伸の熱演、可愛いけどズルさや欲望まみれなちはるを演じた黒川芽以の女そのものなリアル感、モテモテで要領が良い青山のイヤな奴の色悪な魅力を表現した松田龍平、田西にボクシングの指南をする小林薫や田西の男の意地を組んでやる社長リリーフランキーや姉御肌の風俗嬢YOUなど個性的な脇役の魅力、ちはるに片想いしながら下心と恋心の間を揺れ動き何も出来ずカラオケでラブソング熱唱したりなどイタイ空回りを繰り返してばかりの田西が青山との対決を通して初めてちはるに自分の気持ちをぶつけるまでのイタイけどカッコ悪いけど最高にかっこいい苦闘、笑いながら心が熱くなる傑作青春映画です。
三浦大輔監督作のテーマである拗らせた自意識、自意識に空回りする人間のイタさ、自意識を脱皮する苦闘、本音と建前が、初監督作ながらきっちり描かれているので、「何者」で興味が湧いた人にも必見です。
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