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荒野の七人のnanoのレビュー・感想・評価

荒野の七人(1960年製作の映画)
4.0
エルマー・バーンスタインの音楽がたいへん有名。『七人の侍』を未見だった小学生の私は、あの曲を聴いて「ハリウッドって凄いなー、豪快で雄大で日本の貧乏くさい白黒映画とは大違いじゃん」と思いました。
後年、黒澤明を敬愛するようになってから両作品を観直すと。
陽光の下で離れて撃ち合う『荒野の七人』はカラッと明るい娯楽映画ですが。『七人の侍』とは異なりダイジェスト版の物語に深みもなくて物足りません。いろいろ台詞を引用していても『七人の侍』とは別物。
明確な失敗はキャラクター設定とキャスティング。
(志村喬の役がユル・ブリンナー? かっこ良過ぎる。しかもそのへんのガンマンじゃん。もっと年配で貫録のある役柄と俳優にすべき)(三船敏郎はいったい誰なのよ?)ってな感じです。
イメージ通りなのは久蔵のジェームズ・コバーンだけ。
残りの役は俳優をシャッフルしてもあまり支障がなさそうです。
無名だったホルスト・ブッフホルツがオープニングタイトルでとても大きく扱われていますが、大成しませんでしたね。
ものすごく大ざっぱで適切でもない個人的印象は陰の『七人の侍』、陽の『荒野の七人』。
陰の勝ち。
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