Kumonohate

水戸黄門 助さん格さん大暴れのKumonohateのレビュー・感想・評価

3.6
13作にわたった月形龍之介版水戸黄門の最終作。光圀が脇に回った番外編的な内容で、主役は若い二人。血気盛んな助さん(松方弘樹)格さん(北大路欣也)が、ご老公と出会って家臣となり、やがて世直しの旅に出かけるまでの物語。

タイトル通り、松方&北大路が大暴れする全編通してのドタバタ・コメディー。脇を固める清川虹子や田中春男も大いに笑わせてくれ、野良仕事をする黄門様も「ワシの米には農薬など入っておらんぞ」などと言ったりする。特に、後半のエスカレートぶりは甚だしく、噴水のある夜の公園で助さんと格さんが女の子とブランコを漕いだり、助さんが大声で「ホームラン!」と叫んだり、柳沢吉保を斬り殺しちゃったりと、もう滅茶苦茶(ただし、この急激なエスカレートにはちゃんとしたオチがついていて、当時の映画制作者の律儀さに感心する)である。

オールスターをズラリと揃えた重厚なバージョンも良いが、若さの爆発力で押し切る本作も悪くない。この懐の深さ。「水戸黄門」はまさしく国民的コンテンツなのであった。
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