ポレポレ

野のユリのポレポレのネタバレレビュー・内容・結末

野のユリ(1963年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

Amazon Prime Videoで鑑賞。

放浪中の何でも屋ホーマー(Sidney Poitier)が、マザー・マリア(Lilia Skala)を始め5人の修道女たちの元にたまたま立ち寄ったばかりに教会堂建設を手伝うはめになる。題名は聖書のマタイ伝からの引用らしい。

言葉の壁、皆無の資金と資材、修道女たちの図々しさ--もとい押しの強さ……。ホーマーが嫌になる気持ちも解る。そこから街一丸の作業に変わるなんて、まさに“奇跡”。コミカルでほっこりする展開。

最初は賃金、次いで何かを成し遂げたい・造り上げたいプライドから作業するホーマーだったが、次第にそれらの欲望からは離れていく。一方で、他人の善意を全て神の意思と看做して、あまり感謝しようとしなかったマザー・マリアもホーマーに心から感謝の意を伝える。ようやく通じ合ったというのに、教会堂完成の晩に別れは訪れる。ホーマーと修道女たちが歌う「Amen」に漂う寂しさが何とも言えない。
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