シドニーポワチエがアフリカ系俳優として初のオスカーを受賞した名作。
私の印象としてはバグダッド・カフェみたいな、ホンワカした話でした。
タイトルは聖書にある
野のゆりがどのように育つかをよく見なさい。ほねおることも、紡ぐこともしない。あなたがたに言っておく。栄華をきわめたソロモン王でさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった
の一節から。
アメリカ南部?を移動中の黒人青年スミスが、車の不調で立ち寄った一軒家で、修道女に頼りにされて尽くすことになり、教会まで立ててしまう話。しかも無償で。
これはキリスト教的な奉仕の精神とも考えられるけど、若干マザーが強引な気も…
スミスはただ旅をしているだけのようだけど、宗教的なアイコンなのかな。
不思議なのはアメリカの映画だけど、アメリカ人はスミスだけ。
シスターは東ドイツから来た人で、街の人はメキシコ人。
ドイツ語とスペイン語で混乱する中、指揮を執るのがアメリカ人で、こうやってアメリカはできたんだよって言ってるようにも見える。
しかし南部で黒人が差別されていた時代だと思うけど、誰もそれに触れないのが疑問。
スミスは旅する青年だけど、非常に礼儀正しく仕事もできるし、人当たりがいい。
建設作業する割にいつもパリッとして、日曜はスーツなんか着ている。
宗教が違うシスターのために働き、食料を寄付したり、ドライバーにもなったりして、野のユリとはいえ、搾取されているような。
これはアメリカの白人が望む、理想的な黒人青年だったのかなあとか考えてしまう。
テーマ曲でのゴスペル エイメン は耳に残りました。