Kamiyo

グリーン・デスティニーのKamiyoのレビュー・感想・評価

グリーン・デスティニー(2000年製作の映画)
3.5
2000年”グリーン・デスティニー”監督アン・リー
脚色 ジェームズ・シェイマス ワン・ホエリン
アクション監督 ユエン・ウーピン

しかし、この映画の、邦題、何とかならないものかなぁ・・・
これじゃ、ファンタジー映画みたいで、これが中国の武侠映画だなんてフツーは思わないだろうに・・・
原題の「臥虎藏龍/CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON」だって悪くないし・・・せめて、中国語のままの「碧名剣」(グリーン・デストニー)にはして欲しかったぞ。。。。
「臥虎蔵龍」原題の方が雰囲気があるのでは。
ワイヤーアクションは、ワイヤー見えないけど、わりと不自然じゃね?
という見た目。

2000年当時の第73回アカデミー賞でアジアで初めて作品賞にノミネートされた作品で10部門にノミネートされながらも、主要部門を逃したことで、「知る人ぞ知る」ポジションに落ち着いてしまいました
外国語映画賞、撮影賞、作曲賞そして美術賞の4部門を受賞した作品。
話題にもなって評価は高いらしいが
僕はあまり好きじゃなかった。
なぜ「グラディエーター」や「ショコラ」、などの強豪がいたのに4つもアカデミー賞を取れたのかは、謎である。

武侠ファンタジー(?)の同名小説が原作である。
中国全土にその名を知られる剣の名手リー・ムーバイ(チョウ・ユンファ)剣を置く決意をし、瞑想修行を途中で切り上げ。
彼は鏢局(中国に存在した、運送業と警備業と保険業を兼ねた)商売を営む女弟子ユー・シューリン(ミシェル・ヨー)に伝説の名剣“グリーン・デストニー(碧名剣)”を北京のティエ氏に届けるよう頼む。
シューリンは届け先のティエ氏の屋敷で隣に住む貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)と出会う(イェンと碧眼弧ジェイド・フォックス(チェン・ペイペイ)の師弟関)。イェンは剣士になるのが夢だったが、家の都合で嫁ぐことが決まっているという。二人は打ち解け合うが、その夜“グリーン・デストニー”がなんと女忍者に盗まれてしまうのだった。
シューリンはイェンを疑うのだったが……

ムーバイにとって唯一の心残りは、かつて師匠を毒殺した碧眼弧ジェイド・フォックス(チェン・ペイペイ)への復讐をいまだ果たしていないこと。 だが、ティエに献上されたグリーン・デストニーがフォックスに盗み出されたことをきっかけにムーバイは再び剣を手にすることになる・・・

物語はグリーン・デストニーの争奪戦を軸に、ムーバイのフォックスに対する復讐、ムーバイと女剣士シューリンのロマンス、長官の娘イェンとフォックスの師弟関係、イェンと盗賊の頭ロー(チャン・チェン)の恋などを絡めて行きます。

アン・リーは、アクションだけではなく、登場人物の心理的な葛藤を描こうとしている狙いは判る。
ただ、心理的な部分の、どうにもまとまりの悪さを感じました。
僕が感じたのは、特にイェンの心中が見えないことで、確かに「疲れた」と言う台詞があるのだけど、これが、貴族のお嬢様と言う身分と、フォックスの弟子と言うの二重生活から来るストレスによるものなのか、或いは盗賊に囚われていた過去を周囲から白眼視される事からなのか・・・
この辺りが不明瞭な為に、そうしたストレスから来る心理的な枷(かせ)が、ドラマの進行と共に解かれていくカタルシスを感じられなかったし、その行動を自体を必然性のあるもの、と感じる事が出来なかったのです。

何より貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)が可愛い。キャラクターとして超わがままな良家の娘なのですが、チャン・ツィイーが可愛いから許されるような気がします。そして何故か最強です。全く強そうに見えないのに強すぎる・・・ま、そこはつっこんではいけない所でしょう。正直チャン・ツィイーを如何に可愛く撮るかに情熱を注いでいるような印象を受けました。
あとは、チャン・ツィイーの砂漠上でのラブシーン(笑)
こういうのアジア人がやるとイマイチ色気がないっていうか、サマにならないんですけど、。。。お見事。すごいセクシーでした。
本作品が2作目のチャン・ツィイーの魅力は一際目立ち
後の大活躍もうなずける演技で楽しませてくれる

「グリーン・デスティニー」の最大の魅力ともいわれる色鮮やかな映像美は、中国各地の美しいロケ地によって生まれています。竹林の鮮やかな緑や、砂塵舞う橙の荒野、夕日を浴びて真紅に染まる渓谷など、本当に色鮮やかな風景が劇中を彩っています

チョウ・ユンファでしたが実際そこまで活躍してないですよね(笑)
主演といわれていますが、主演は途中から明らかにチャン・ツィィーになってます。。。。。
あのワイヤー技術・・・今見ると、笑える
もっとこう、現実的にできなかったのでしょうか

ラストに至っては、私の読解力が低いせいか解らないのですが、
イェン(チャン・ツィイー)が飛び降りたのは、あれは自死ですか?
残された形の「イケメンの盗賊の頭ロー」が「強く望めば願いは叶う」とか何とかを直前に言っていましたが。
それを聞いて飛び降りたとしか。うーん、何なんだ・・

他の方のレビューを拝見し、「ラストは何度見ても泣ける」と書いてらしたので楽しみにしていたのですが・・
ほんと、すみません。僕のせいです、多分。きっと。
でも解らないんですよ。泣けないどころか、気持ちが白ける全開で。
うーん、僕も楽しみたかったし感動したかったのに・・
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