ミミズ式SGキネマ倶楽部

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャーのミミズ式SGキネマ倶楽部のレビュー・感想・評価

3.4
ふとクリス・エヴァンスを観たくなったので、視聴。キャプテン・アメリカ誕生秘話を描いた本作。「キャプテン・アメリカ」という国を背負ったキャラクターであり、公開当時2011年でも今更「アメリカ」を背負うって…となってしまいがちですが、本作はそんな課題を難なくクリアして見せています。スーパーパワーである超人血清はナチスの科学者の亡命によりもたらせたものであり、また国から「キャプテン・アメリカ」に与えられた任務は「広告塔」としての役割のみ。キャプテンアメリカことスティーブ・ロジャースは自らの意思で最前線に立ち、「キャプテン」になっていきます。そういった命令ではなく、自らの意思によりヒーローになったことで、本作の命題である「お国柄」の要素を薄め、ヒーロー誕生譚として物語を成立させています。

 1940年代の意匠を残しながらも、現代風のアクションで見せてくれる本作は快感です。またヒロインのカーターも添え物の女性ではなく、強く叱咤激励する相棒(バッキーもいますが)として存在感のあるキャラクタになっており、そこもレトロな時代感に合わせすぎず、現代劇として観ることができるので良かったですね。

 クライマックスも含めて、「アベンジャーズ」の予告としての要素が強い本作ですが、単体の作品としても起承転結がしっかりと作られており、楽しめる一作になっています。今の膨らみすぎたMCU世界にはない感じもあり、逆に新鮮に楽しむことができるといえるでしょう。是非コーラでも片手に持ちながらご鑑賞下さい。