暴力映画が観たくなったので深作欣二を。
北陸を舞台にした雪国ご当地ヤクザもの。親分に反抗した若手ヤクザ(松方弘樹)のゴタゴタに各地のヤクザがどんどん口出し手を出し、騒ぎがどんどん大きくなる。
『仁義』でお馴染みのナレーション&BGM、ぐわんぐわんのカメラワークで奏でられるご機嫌ヤクザ映画。内容も大変ひどーいもんで面白かったです。
この映画の主題は地方の意地ですね。北陸ヤクザのごたごたに中央の大ヤクザが嘴突っ込んできて甘い蜜を吸おうとするのを“道理を弁えない”という正道を行く松方弘樹がメチャクチャに引っ掻きまわすというこのカタルシスが堪りません。それでいて主人公の彼も別にいいヤクザでも何でもなくて寧ろ一番のワルともいえ、正義もクソもないところが個人的に好ましかったです。
『仁義』シリーズと比べても、単品での出来という点ではこの作品のほうがいい気がする。ギュギュッと凝縮された非常にワルい(つまりとてもよい)ヤクザ映画でした。
ただナレーションで言われてるほど北陸人が取り立てて獰猛ってことはないでしょうが……😅