目と目で通じ合う
瞬間、心、重ねて
カメラの動きや照明が作り出す不穏さ、めちゃくちゃ黒沢清っぽい。長編監督デビューでいきなりこれ撮って、そのあと一本しか撮ってないなんて…。
他人を信頼し、自分を理解すること。
自分を信頼し、他人の理解を得ること。
なんて困難なループなんだろう。
必要な庇護が得られない不安は恐怖に。恐怖は疵に。疵はやがてーーー
拠り所になっていた時間を揺るがしては、人を遠ざける不信の鏡。見たいモノ・見たくないモノを選別し、その目を覆った仕草ひとつが、廻り廻っていつか誰かを喰い殺す。
有しているはずの前提は崩れ、それでも他人同士を結びつける冷たい食卓。
僕は”君が何を言っても信じる”よ。
不安の立ち去った、空っぽの心で。