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女と味噌汁のENDOのレビュー・感想・評価

女と味噌汁(1968年製作の映画)
4.2
冒頭同窓会に出席する恩師役が中村是好というだけで五所平映画の刻印が押される!芸事だけでは生き残れない花柳界の臨界点がテレビによって斜陽化する映画界と重なり現代人の私たちには登場人物達の振る舞いがハイなのに空回っているように感じられて心がざわめく!弁天池にある置屋で女達は家族のように支え合う。この尋常ならざる信頼関係と雰囲気はテレビドラマを映画化した手練れた役だからに他ならない。気弱な川崎敬三には積極的に。でも奥さんとの修羅場もお互いの苦労を分かち合って壱万円は折半。不穏な佐藤慶の自殺企図に付き合わされ純朴な田中邦衛は妻帯者。誰とも結ばれないのもテレビ版があるから当然だ。女版寅さん。北村和夫と別れて欲しいと居丈高に伝えに来た彼の姉と異母弟である田村正和の恋愛にダメ出しする自分自身が花柳界への侮蔑を図らずも共有してしまうのが悲しい。ライトバンで味噌汁販売とか一周回って現代的!とにかく会話が軽妙だがこの笑いの連べ打ちこそテレビに他ならない。
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