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屋根裏の女たちのseapony3000のレビュー・感想・評価

屋根裏の女たち(1956年製作の映画)
5.0
神保町シアターで日活の「うず潮」のあとにこちらみたら、またしても瀬戸内海でうどん屋。もうみおわったらうどんでお酒飲むしかない。女手一つ高校生の娘を育てる望月優子のうどん屋が、年イチしか店にこない多々良純の軽いひとことであれよという間に酌婦だらけのうどん娼館に(因みに多々良純は素うどんとどんぶり飯で酒を飲む)。クビになった元ストリッパーの倉田マユミのインパクト強すぎる登場からノンストップな下世話さとそれぞれの訳ありエピソード満載。久しぶりにみる大映映画の迫力。しかもスター俳優なしで脇役俳優がメインにプロ演技でたち回る。画面の奥行き、配置、動きまくる人物、背後でも何かしら誰かが、風が、提灯が暖簾が柿の木が、常に何かが動いている。みるとこだらけで圧倒される。一番タチ悪そうな村田知栄子が米屋の若旦那にフラれてちゃぶ台に突っ伏す姿、干物ばっか食わせんじゃねー干物ネタずっとひっぱる脚本最高。酌婦軍団もプロだけど、ご近所賀原夏子と浦辺粂子はさらにがめつさ師範級。細かい仕草に言動いちいち感動。愚痴ったかと思えば景気上がってご機嫌太っ腹、裏切られて更年期の寝込み、喧嘩してコップ酒、最後の最後は娘に謝る名優・望月優子この役何百回目?みおわったあとは背筋も毛穴もシャキーン。素晴らしかったです。ダイジョービ。
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