りっく

冷たい雨に撃て、約束の銃弾をのりっくのレビュー・感想・評価

4.4
ジョニートーのアクション場面の舞台設計に恍惚。もはや様式美を重視し過ぎて時に笑ってしまうのだが、それでも男たちは暗黙の了解に則り、そして決して無駄撃ちせずに一発一発の銃弾に意思を感じるからこそ、絵で魅せる映画の醍醐味を濃密に味あわせてくれる。

例えば、まだ半信半疑の男たちがひとつの自転車を永遠に撃ち合い、チリンチリンと音を鳴らしながら永遠に走っていく様。あるいは、満月が雲隠れし辺りが闇に包まれる時には息を潜め、再度月明かりに照らされる際に銃弾が飛び交う。さらには、悪玉に無垢を装う子供達が募金シールを服に貼り、そのシールを目標に記憶喪失になった白人が家族と親友の敵討ちをする。

その独特な時間経過は、ジョニートーならではの緩急を超えたうねりと息遣いがあり、ずっと浸っていたくなる。
りっく

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