あやしいかげ

少林寺のあやしいかげのネタバレレビュー・内容・結末

少林寺(1982年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたジェット・リーのデビュー作にして出世作。
後のカンフー映画に比べるとカメラワークなどは未熟だが、その分アクションそのもののクオリティが高い。
この映画を語る上で注目して欲しいのが、黄色い服の副将軍(仮)の活躍ぶりだ。
ラスボスである王将軍に代わり、兵たちを率いて幾度も主人公サイドを脅かす名脇役なのだが、出番が多いだけ恥も多い。
この男、最後にヒロインの小娘に龍虎乱舞で屠られるところまで含めれば、90分の映画で実に6度の敗北を喫している。
少林寺の修行僧と王将軍の軍勢、たくさんのキャストが干戈を交える中で、この男だけが特に説明もなく15分おきに土を舐めているのだ。
ヒロインである羊飼いの少女には2度敗れ、トドメまで刺された。
劇中での対戦成績は1勝6敗。
1勝はヒロインが飼っていた赤ちゃん羊を片手で縊り殺した分だが、先日このシーンがカットされたバージョンがあることに気付き戦慄した。
ぬいぐるみの子羊の首を掴みながら哄笑するあの場面は、彼がやられモーション以外で大写しになる数少ない見せ場だというのに…

王将軍をベジータとすれば、副将軍はナッパとサイバイマンの役割を一手に引き受けていると言えよう。
名作の陰に名脇役ありと言える素晴らしいヴィランである。
スピーシーズと共にスーサイド・スクワッドへの参加が待たれる。
あやしいかげ

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