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アギーレ/神の怒りのリスト係のレビュー・感想・評価

アギーレ/神の怒り(1972年製作の映画)
3.5
世界史の暗部、スペインによる南米征服の残虐性をむちゃくちゃなスペクタクルで描く。
雰囲気は「地獄の黙示録」に酷似するが、なんと製作年はこちらの方が先。
むしろFFコッポラが本作に影響されて「地獄の黙示録」を作ったんだとか。
「戻るも地獄」で進むしかない状況、ほとんど自分の生還を諦めている人々の生き様、死に様。
このシュールな地獄絵図にファンタジックな美しさを感じてしまう。
ドイツ映画ということで、小さな探検隊の中で独裁者になっていくアギーレがどうしてもヒトラーに重なっていく。
最初は傀儡を利用して権謀術数を駆使するが、次第に狂気に陥る。
傀儡にさせられたグスマンはヒンデンブルク、宣教師はゲッペルス、美しい娘はエヴァ・ブラウンか。
最後には隊が全滅する中、娘と結ばれて「純潔の帝国」を作るんだ!と絶叫し完全にヒトラー化して終幕。
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