genarowlands

ホブスンの婿選びのgenarowlandsのレビュー・感想・評価

ホブスンの婿選び(1954年製作の映画)
4.2
デヴィッド・リーン監督のコメディ、すごくおもしろい!脚本がうまい。隠れた傑作で、シニカルでブラックなイギリスの笑いがありながら、ファミリードラマとして、すごくよく出来ている。

「寺内貫太郎一家」を思い出したのは、靴店のオーナー、ホブスン氏(チャールズ・ロートン)が小林亜星似の巨漢だからだけではなく、昭和の頑固なワンマンお父さん(イギリス映画ですが笑)のまんまだから。

母を亡くした三姉妹の長女がしっかり者で、アル中寸前の父が営む靴店の経営を建て直し、寂しがりやでケチな父が手放さない妹たちを嫁がせるために画策するが、その画策がいくひねりもあり、うなった。脚本に拍手です。お姉さん賢すぎる。大団円まで行き着くお姉さんの知恵を見守りました。

「ホブスンの選択」が原題で、まわり回って、良い選択をした(させられた)って話です。

巨漢のお父さん役のチャールズ・ロートンはオスカー俳優で、その憎ったらしいクセある演技が見事でした。「情事」の弁護士役でも印象的でした。

長女が奪うように無理矢理結婚した相手(ジョン・ミルズ)がどんどん変わっていく、表情豊かな演技が見ものです。いわゆるあげまんの長女。

デヴィッド・リーン監督は本作でベルリンの金熊賞受賞し、歴史もの等の名作をいくつも生み出しているのに、まだそんなに数観ていなくて、これを機に観ていきたくなりました。ただ、後期作品は長尺が多くて、なかなか気軽に観られないのが難です。
genarowlands

genarowlands