SANKOU

アベンジャーズのSANKOUのネタバレレビュー・内容・結末

アベンジャーズ(2012年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

マーベル映画6作目でこれまで登場したヒーローが勢揃いする。今までの作品がまるで壮大な前振りで、全てはこの作品にヒーローを集結させるためにあったかのようだ。
それだけ見応えがあって抜群に面白かった。
もっともそれぞれの作品にあった社会的なテーマは薄れたようには感じたが、それも圧倒的なエンターテイメント力によって帳消しになったように思う。
しかしこの映画を観ると、今のロシアによるウクライナ侵攻を思わずにはいられなかった。
平和の維持のために強大な軍事力を持つことは大きな矛盾だ。最も相手から攻め込まれた時に、抗う軍事力がなければあっという間に滅ぼされてしまうのだが、軍事力を手にしたことで戦争を引き寄せてしまうことも確かだ。
この映画の中でもニックがヒーローたちにそう責められる場面があった。
人類は核を手にした時からあまりにも強大な存在になり過ぎてしまった。
ロシアの侵攻を各国が武力で止めようとすれば、世界中が血の海になってしまうだろう。
この映画でもヒーローたちの強大な力が解放されることによって街はめちゃくちゃに破壊されてしまう。
だから武力を使わない抑止力を世界が持たなければいけないのだが、現実はそう簡単にはいかない。
この映画のヒーローたちも最初はお互いの意見が合わずぶつかってしまう。
倒すべき相手は他にいるのに、アイアンマンもソーもキャプテンアメリカもハルクも味方同士で闘ってしまう。
いがみ合っていたトニーとスティーヴが、シールドを襲う共通の敵が現れた途端に結束する場面はとても重要だと思った。
これは現実でも、何か地球外からの侵略者でも現れない限り世界はひとつにならないのかもしれない。
地球を守るという共通の目的のために、バラバラだったヒーローがひとつにまとまる場面はドキドキさせられた。
武力では劣ると思われていたキャプテンアメリカが有能な指揮官だったり、いつの間にかハルクが理性を保てるようになってたりと観る者を引き付ける演出力も際立っていた。
最後にロキに制裁を加えずにアスガルドに委ねる展開は、現実社会でも必要な許容さなのではないかと思った。
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