”別れ”を受け入れることで、少年と家族は成長する。
この不朽の名作SFを人生で初めて鑑賞しました。
今回は映画制作40周年記念、『E.T. in コンサート』というシネマコンサート形式で鑑賞。
スピルバーグが作った素敵な物語を大スクリーンで堪能しつつ、巨匠ジョン・ウィリアムズが手がけた『E.T.』の音楽をフルオーケストラによる生演奏で聴けるという、とっても贅沢な時間。
(今回は神奈川フィルハーモニー管弦楽団による演奏)
今回上映されたのは悪名高き「20周年アニバーサリー特別版」ではなく、初代のバージョン。
本当に1982年に作られたの?と疑問を抱くほどハイクオリティなSF映画。
SFというジャンルという皮を被っているものの、中身はアクション、ヒューマンドラマ、そしてコメディによって構成されている。
不気味だけど、どこか愛らしいE.T.に共感を覚えてくる不思議な感覚。
E.T.が捕まるまで母親以外の大人の顔が出ないのも、スピルバーグの粋な演出だなと思いました。
NASAや政府関係者が家に押しかけるまで、E.T.の存在はあくまでも子供たちだけの世界だけに在り、大人たちが介在する余地はないということを感じさせます。
さらに子供たちの演技が素晴らしく、この作品を観ていると幼少期に抱いていた相手を思いやる純粋な気持ちや冒険心が蘇ってきます。特にガーティ役のドリュー・バリモアの演技力が凄まじく、天才子役の真髄を見せつけられました。
そしてクライマックスの脱走〜自転車が飛ぶシーン。
ジョン・ウィリアムズの音楽が最骨頂に達し、描かれる爽快感と神秘性で感情を揺さぶられる。
心の底から湧き出るワクワクを抑えることができない。
おかげさまで終盤に差し掛かる頃、この作品によって心を掴まれた観客たちによって、会場中がすすり泣きの音で包まれていました。
大人が見ても、子供がみても、老人が見ても笑えて泣けて楽しめる色褪せない映画。
史上最高の映画の一つです。